うつ

カッパウロのうつ体験談 Ⅱ 薬療の闇々

カッパウロ

ごきげんよう!

カッパウロです。

前回に引き続き、うつ体験記の第2回です。

投薬治療開始から休職突入までですね。

 

記事タイトルがおどろおどろしいのはハッタリですよ!

ドラクエ好きのカッパウロが、『ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々』をもじってつけただけですので!

内容は自業自得のとんだ馬鹿野郎な話となります~。

ドーンといってみよう!





用法用量を守って正しく愛でて下さい

2016年の2月、うつの治療が始まります。

投薬です。抗うつ剤のパキシルです。

効きも強けりゃ副作用も強めという、バトル漫画の苦渋の選択系パワーアップみたいなやつです。

 

この薬は少量から服用し、様子を見ながら少しずつ量を上げていき、効いているのを見極めてその量をキープ、しばらく続けて症状が良くなって、もう薬はいいだろうとなってから、徐々に減らしていくという使い方をします。

きちんと通院し、お医者さんに状況を報告し、薬の量をコントロールしてもらわないといけません。

自己判断で急に増やしたり急に減らしたりすると副作用や離脱症状が強く出て、苦しむことになりかねません。

 

さて私はというと、治療が始まってからもしばらく、通院日以外は出勤を続けていました。

先生には「仕事を休んでください」と言われていたのですが、なかなか会社を休むということができませんでした。

「休むならきちんと引き継ぎなりしないとなあ」とは思っていましたが、まあそれができる時間もなかったので、ズルズルと休みもせずに仕事しちゃってたんですね。

そうして家に帰るとやっぱりお酒を飲んでしまいます。

仕事→帰宅→晩酌が長年定着してしまっているので、ダメと言われても簡単に断ち切れないんです。

ですが抗うつ剤を使うならお酒は厳禁なのです。

アルコールが抗うつ剤成分の血中濃度に影響してしまい、おかしな反応、作用を引き起こしかねませんので。

 

さあ、どうするカッパウロ。

どうするどうなる、どうしたかというと、酒飲んじゃって薬飲まないということをやってしまいます。

ダメですね。

そういう日が出てきます。

というかそういう日が増えていきます。

悪い流れです。

 

そうこうしているうちにひと月が経ってしまいました。

ああ、もう全然心と体のためになっていないですね。

しっかり治療に取り組もうという気持ち、心と体を休ませて労わってあげようという視点が完全に欠けていました。

うつ病って視野が狭まるものですので、多角的、俯瞰的に自分の現状を見ていられなかったんでしょうね。

カッパウロ

通院すれどもこっちがちゃんと向き合ってないのでよくなりゃしません。

 

ダメ。ゼッタイ。

そもそもいままで健康で、薬を飲むこともあまりなかった私は、まずもって「薬の怖さ」を知らなかったし、ナメてかかっていたんですね。

薬飲んだり飲まなかったり。

その間も通院していると少しずつ薬の量が上げられていきます。

それでもちゃんと服用しない。薬の量は上がっていく…。

 

もう4月です。

いよいよヤバくなってきました。

そして思いました。

「大分薬の量も増えたけど、コレ、自分がきちんと服用してないのがいつか先生にもバレて、大目玉くらうよな」と。

反省し、しっかり投薬治療に取り組もうと決めます。

お酒も当面やめます。

一生禁酒になるわけじゃないし。

さいわい今はノンアルコールビールも種類豊富にある。

大丈夫だ。やれるさ!

 

そんなわけで、「ちょっと間が空いちゃってるけど、今日からは処方されている薬の量をバッチリ飲もう」と、いままでろくに飲んでいなかった薬を、いきなりきっちり服用し始めます。

これはつまり、急に強い薬の量を増やしたことになります。

ダメです。

本来、こんなことはゼッタイにしてはいけません!

 

…次の日。

どうにもならない眠気に襲われます。

ちょっとぼーっとしてしまいます。

動くのが億劫です。

 

その次の日も次の日も。

ただただ眠いです。

なんとか出勤しても眠すぎて仕事になりません。

トイレで気を抜くと寝落ちしてしまいます。

 

それと口渇。口が渇くのです。

舌の感覚がおかしくなってきている。

ちょっとめまいもある。

耳もおかしい。

人の声、特に子どもの声がハウリングする。

つらい。

 

そしてなぜか波のように突然、焦燥感、不安感が襲ってくる!

発作のように。止められない!

 

怖い怖い怖い。なんだコレ?

どうなっちまうんだ?

 

家族には、「反応がなくなってるよ…」と心配されました。

私に話しかけても、へんじがないただのしかばねのようだったみたいです。

 

それは急激な薬の増量による反動でした。

眠気もかつてない相当なものでしたが、とにかく怖くてつらかったのは焦燥感、不安感の波状攻撃です。

半ば薬の副作用のせいだろう、と頭をよぎりはすれども、そんな思考なんざすぐにパニック的な焦りと不安の波に呑まれてしまいます。

とめどないのですよ、その攻撃が。

量もスピードもすごくて逃げられない感じです。

例えて言うなら、華厳の滝レベルの大瀑布があるとします。

その滝は落ちてくるのが水じゃなくて「不安」です。

その滝壺でひとり、ズドドドドーッと不安を全身にくらい続けているようなものです。

 

気が狂いそうになるは、とにかくそこから逃げ出したくなるは…このころは本当に大変でしたね。

思い出したくもないし、今でも思い出すだけで心拍数上がりそうです。

 

実はちょうどそのときに長女の小学校入学がありました。

嫁のケメ子(仮名)と入学式に出ている間も、襲いくる謎の焦燥感、不安感と脂汗流しながら戦っていました。

 

ところで、私はこれまで、うつになってからも「死にたい」と思ったことはありません。

ですが、底無しの不安の中だともはや正常な判断はできないので、ふと、そこから逃れるために思考も意思もなく、ちょっと一歩逃げ出すぐらいでの、「ついうっかり自殺」「パニックの勢いで自殺」「無意識に自殺」というのはあるんだろうなと思いました。

例えば狂犬や暴漢に襲われて、命の危険を感じて一目散に逃げ出した途端、車にはねられて死んじゃった、みたいに。

そのときはべつに「死にたい」なんて思ってないじゃないですか。

とにかく逃げることだけ考えてて突っ走っていたら事故で死んじゃった、と。

それと似たようなもので、不安から逃げ出すときに精神状態が狂っているので、「わあああああー」ってなったまま、つい「死」に突っ込んじゃうんじゃないかと。

この体験をもって切実に思いましたね。

 

いや…もうホントにつらかったです。

うつ自体嫌ですけれど、発症から今までで一番キツかったのがこの「自己判断で服用量を変えたことによる反動」です。

「死にたくはないけど不安に抗えず、狂った脳が死を選んでしまうのではないか」という恐怖。

薬ですよ、薬。

薬でこうなっちゃうんだから怖いです。

16世紀の医者で錬金術師のパラケルススは、「すべての物質は有害である。毒でないものは存在しない。毒と薬を区別するのは適切な量である」と名言を残していますが。

まあ本当にそうですよね。

 

ただ私はその後抗うつ剤がきちんとよく効いて、結果このように元気になっているんです。

だからそもそもお医者さんの言うことを順守して、用法用量間違えず正しく服用しないとダメですよ、という話です。

自己判断で投薬量を変えるなんて絶対ダメですよ、大変なことになりますぜ! と声を大にしてお伝えしたいのです。

薬怖えよ~! パキシル怖えよ~! という話ではないですからね。

カッパウロ

正しく抗うつ剤を使いましょう!

 

案の定怒られる

メンタルクリニックの先生に薬ショックの一連の話をしました。

それなりに怒られましたが、先生のお怒りはそのことよりも、「いつまでたっても私が休暇をとらないこと」の方でした。

先生からすると、これだけ「休みなさい」と言っているのに、カッパウロさん、あなた治す気あるんですか? 重度のうつに陥っても責任とれないですよ、ということです。

 

それで意を決して、休むことにしました。

会社、同僚、取引先には迷惑かけちゃうけど…もういいや。

だってマジでつらいもん。

 

先生に診断書をお願いしました。

数日後それを持参し会社と話し合いまして、4月末、大型連休突入をもって休職することに。

 

さあ、ネバーエンディング大型連休、エンドレスゴールデンウィークの始まりです!

…ってそんな楽しい話題じゃないんですが。

カッパウロ

さてさてどうなる休職中の過ごし方!

 

/ To Be Continued ///



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